知能とは何か?
人工知能を語るうえで欠かせないものが、
「知能が何であるか」
このページでは、知能の概念、種類、構成要素について説明します。
知能の概念
知能は、物事を類推(似ている点をもとにして他の事を推し量ること)、推論、知覚、記憶し、問題を解決、複雑な考え方を理解し、言葉を人間が話しているように利用できます。また、新しい状況を過去の経験から分類し、標準化、適応させる能力持ちます。
知能の種類
アメリカのハワード・ガードナー氏による「多重知能(Multiple Intelligences=以下MI)」の理論があります。「知能は複数ある」「人は誰でも複数の知能を持っている」「人によって長所や短所があるように、人によってある知能が強かったり、弱かったりする」という考え方です。知能についてはまだまだ不明確なことが多いのが現状ですが、このMI理論は世界各国の教育現場やビジネスの世界で取り入れられています。
構成要素を以下に挙げます。
推理
判断や予測の「元」となる考え方です。 2種類があります 。
帰納法(帰納的推理)
・多数の事実や事例から類似点や傾向をまとめ、結論を出します。
・例えば、
テレビで青汁の効能の良さを放送していた
友人が青汁を毎日飲んだら体調が良くなったとを聞いた
雑誌で青汁が健康に良いことが掲載されていた
よって、青汁は健康に良い
と結権を導き出します。
・元とした情報に偏りが出る場合があり、確実な結論でない。
演繹法
・~であるから、~である、という結論を導き出す方法。
・例えば、
猫は哺乳類である
私が飼っているタマは猫である
→「タマは哺乳類である」
・適切でない前提条件を用いてしまうと結論も間違ってしまう
学習
勉強、練習、教わる、体験することによって、知識やスキルを得ることを言います。 学習能力は、人間、動物、AI対応システムが持ちます。
聴覚学習ー聞くことと聴くことによって学びます。
エピソード学習ー経験した出来事を記憶して学習します。
運動学習ー筋肉の正確な動きによって学習します。
観察的学習ー他者を見て模倣することによって学習します。
知覚学習ーこれまでに見た刺激を認識することで学習します。
関係学習ー関連事項に基づいて区別することを学習します。
空間学習ー画像、色、地図など視覚的な刺激を通して学習します。
刺激応答学習ーある刺激にある動作を実行することを学習します。
問題解決
目標に到達するためのプロセスに課題がある場合、その課題を解決するための解決策を認識して到達しようとするものです。
問題解決には、 意思決定が含まれます。複数の選択肢から最適な選択肢を選択して目的の目標に到達するプロセスです。
知覚
感覚情報の取得、解釈、選択、および編成のプロセスです。知覚はセンサーを想定しています。 人間では、知覚は感覚器官によって提供されますが、AIの領域では、知覚はセンサーによって取得されたデータをまとめます。
言語
言葉や文章を使い、理解し、話し、書く能力です。 対人コミュニケーションにおいて重要なことです。
人間とAIの違い
人間はパターンによって知覚しますが、機械はルールとデータのセットによって知覚します。
人間はパターンによって情報を記憶し、思い出します。機械はアルゴリズムを検索することによってそれを行います。 たとえば、番号40404040は、そのパターンが簡単なので、覚えやすく、保存し、呼び出すのが簡単ですが、たとえ一部が欠けていたり歪んだりしても、人間は完全なオブジェクトを把握することができます。しかしその場合、機械は正しく動作しません。